探偵昇格試験「消えた懐中時計の謎」
ミッション
あなたは書斎で作業をしていましたが、お手洗いで席を外した、僅か10分の間に事件は起こりました。
所用を終えたあなたが書斎の重厚な扉を開け、室内に足を踏み入れたところ、なんと机の上はひどい惨状になっており、しかもスタンドに掛けていた銀の懐中時計がなくなっていたのです。
「知識集」と「現場の状況」を読み解き、以下の2つを行ってください。
- 分析推理(アブダクション): いったい誰が(何が)、どうやって懐中時計を持ち去ったのか? その一部始終を推理せよ。
- 総合推理(演繹法): その推理が正しいとすれば、大切な懐中時計を取り戻すためには、今から「どこ」を探せばいいか予測せよ。
知識集
- 探偵事務所:ここはあなたが開いた探偵事務所。2階建ての洋館風で、階段は屋内にある。
- 屋内にいた人物:まずは名探偵であるあなた、それから助手であるジョシュノ・ジョバーナの2名。今日は依頼人を含め来訪客はいない。
- 助手:あなたを尊敬し、熱心に働く助手。今日は一階で事務作業をしている。
- 書斎:事務所の2階にある。数々の事件の記録が収められた書斎。
- 事務室:事務所の1階にある。給湯室もある。
- 応接室:事務所の1階にある。事務室の向かいにあある。
- トイレ:事務所の1階にある。
- 銀時計:銀で出来た、高価なアンティーク懐中時計。
- 庭の木のカラス:庭にはシンボルツリーがあり、そこにカラスが住んでいる。金属製品や宝石等、光るものが好き。
- 近所のネコ:近所にはネコが住んでおり、庭の木の枝を伝って、窓から入り込んできたことがある。また、カラスを狙う姿をみたことがある。
現場の状況
- 扉と窓の構造:
- あなたの背後にある書斎の扉は、重厚な木製で、今はしっかりと閉じています。
- 部屋の奥、机の向こう側には、床から天井近くまである大きな窓があります。これは横にスライドさせる引き戸式で、今は隙間なく閉まり、鍵(クレセント錠)がかかっています。
- 窓の向こう:
- ガラス窓の向こうには、庭のシンボルツリーが大きく枝を広げています。枝は窓ガラスのすぐ近くまで迫っており、風が吹けば葉がガラスをこするかもしれません。
- 眼前の机:
- 部屋の中央には、マホガニーの大きな机が置かれています。
- その上は、凄惨たる有様です。陶器のティーカップが横倒しになり、紅茶が机の表面に広がり、派手に飛び散っています。
- カップのそばには、木製の懐中時計スタンドが倒れています。
- 壁の本棚:
- 机の対面にある壁は、天井まである本棚で埋め尽くされています。そこには、犯罪の記録など、様々な書類が収められています。
- 壁掛け時計:
- 部屋の入り口から見て正面の壁には、壁掛け時計がかかっています。その針は、16時51分を指しています。
- あなたの記憶:
- あなたがトイレで苦しみに喘いでいる間、二階から何やら騒がしい音が聞こえ、その後玄関の扉が開き、すぐに閉まる音が聞こえました。
- あなたがお手洗いに行くときも、戻る時も1階の事務室から助手が何かをしている物音が聞こえました。
- 書斎の窓については、換気のため、少しだけ開けていたはずですが……。
注意事項
- この問題は、探偵に最も必要な 分析推理(アブダクション) を身に付けるためのものです。従って、推理は全て、「知識集」と「現場の状況」から読み取れるもののみを使用することとする。
- 分析推理: 結果から過程を推理すること。
- アブダクション: 結果に対し、既存の知識(ルール)を用いて過程となる仮説を推論する思考法。
- 消去法: 分析推理・アブダクションにおいては、消去法が重要である。複数の仮説を建てて、消去法によって絞り込みを行い、最後に残った仮説を最もあり得る答えとする。
- 帰納法: 結果から、ルールを推論する思考法。